「赤ちゃんが泣きやまない」・・・

 

子育ての悩みはつきない(2)

赤ちゃんを育てるうえでは、次から次と悩みがでます。

少しその接し方がわかると、気持ちも少し楽になるものです。

 

 

 

「大丈夫やで」 坂本フジヱ(坂本助産所・助産師) より

 

「よっしゃ、今日から赤ちゃんと徹底的にかかわろう」

お母さんがそう決意した瞬間から赤ちゃんが泣かなくなります。

 

赤ちゃんは、お母さんに抱きしめてもらうためにこの世に生まれてきています。大切に抱きしめてもらうことで、「自分は大切な存在なんだ」という、自尊感情を醸成しているんです。自尊感情は、勉強ができるとか、スポーツができるとか、そんなうわべのことよりずっとずっと大切な、人間としての土台。少々勉強ができなくても、自尊感情さえしっかりしていたら、自信を持って人生をやっていけるんです。

自尊感情は、即席で育てることはできません。一年間、徹底的に赤ちゃんとかかわることで、基礎ができるんです。私はお母さんに、「お乳を飲ませる一年間は、赤ちゃんと徹底的にかかわってやってほしい」とお願いしています。そうすることで、その後の子育てがグンとラクになることを知っているから。

逆に言うと、この一年間を適当にやり過ごしてしまうと、あとから修正するのはなかなか難しい。

「赤ちゃんが泣いて泣いて、どうにもならない」と言って、助産所に相談に来る人は、少なくありません。けれど、そんな赤ちゃんも、ここのベッドに寝かせると、不思議なほどやすやすと眠ります。

助産所のベッドをトラックで借りて帰りたいというお父さんがいるほどです。赤ちゃんが寝るのは、ベッドのせいではありません。私は、ここに来た赤ちゃんと、徹底的にかかわるつもりでいるから、赤ちゃんが安心して寝られるんです。

私はお母さんに、「これから一年、とにかく赤ちゃん中心の生活をしてやって」というんです。不思議なもんで、お母さんが私の話を受け入れて「よっしゃ、そうしよう」と決意すると、決意しただけで、何もしていないのに、赤ちゃんが変わるんです。