狼に育てられた少女からの教訓①

島根保育園

1920年、シング牧師によって救われた少女カマラ。

カマラは、生後数カ月で狼にさらわれ、その後の7年間を狼に育てられました。その習性は、全く狼そのもので、嬉しい時にも笑うこともせず、悲しい時も泣くことをしません。手を使って狼のように歩き回り、昼は物陰に隠れていて、夜になると目を輝かせ、夜中の決った時間には、狼のように遠吠えをしたということです。

そして、人間に返すためシング牧師の熱心な指導にもかかわらず、9年間しか生きられず、また、言葉も45語しか覚えられなかったといいます。

人間がこのように狼の習性を身につけることができることは、人間の能力の偉大さを物語るものです。他の動物では絶対できないことと言われます。

そのかわり、一度、幼少期に養われた能力というものは変えることが困難で、その後の一生を支配するものです。

全てのものごとには、「最適の時期」があります。

幼児が言葉を覚える最も最適な時期が3歳までといわれます。どんな子供でも3歳くらいで母国語を身につけ、保育園では先生の話を理解し、また自分の考えを他人に伝えることもできるのです。

幼児は3歳くらいまでに2000語もの言葉を覚えるといわれ、前述のカマラとは雲泥の差であり、最適期を過ぎてから覚えることは、いかに困難なことかということです。

「三つ子の魂百まで」と言われる所以です。

3歳まではとても大切な時期です。子供に沢山話しかけてください。「まだ小さいからわからないだろう」と話しかけないのは間違いです。どんどん話しかけてください。そのことが子供の言葉を豊かにしていきます。

 

人は言葉で物事を考えます。言葉がなくては、人間的思考はあり得ません。理解する言葉が多ければ多いほど、その人の思考の幅は広く、理解する言葉の深さが深いほど、思考の精密度が高いわけです。言葉を正確に豊かに使う人が、あらゆる方面で成功しているのは当然のことなのです。

 

3歳を過ぎたらダメ?

決してそんなことはありません。ただ、かなりの努力が必要であることは確かのようです。

でも、あきらめてはいけません。根気よくどんどん話しかけてください。このことが、親子の心のつながりにもなっていくのです。